厳選、為替ヘッジ付きハイイールド債券ファンド

2018年9月20日

厳選為替ヘッジ付きハイイールド債券

◎私の注目ファンド

  • みずほUSハイイールドオープン(年1回決算型)為替ヘッジあり(アセットマネジメントOne)

2018年6月末現在、為替ヘッジ付きハイイールド債券ファンドは50ファンド以上あり、どのファンドに投資したら良いか迷ってしまう状況です。そのなかで、このファンドをピックアップしたのは、以下の3点がポイントです。

  1. 手数料の安さ
  2. パフォーマンスの良さ
  3. 分配金が無いこと

順を追って説明します。

安い手数料、高いパフォーマンス

手数料とパフォーマンスについてはインド株式と同様、比較表で確認してみましょう。

為替ヘッジハイイールド債券ファンドの比較

まず、手数料の安さについては、購入時手数料が56ファンド中6位、信託報酬が1位です。さらに、この購入時手数料はあくまで上限であり、ネット証券などは同ファンドを購入時手数料をゼロで取り扱っている会社もあります。このため、手数料については他ファンドと比較してかなり抑えることができます。(販売会社についてはリンク集へ)

そして、パフォーマンスについてですが、同ファンドは運用実績が5年に満たないので、代わりに同じマザーファンドを組み入れている ”みずほUSハイイールドオープン Aコース(為替ヘッジあり)” のパフォーマンスを参考にします。同じマザーファンドを組み入れているため、この二つのファンドの違いはほとんど「分配金の有無」のみと言ってよいでしょう。

結果は10年間が6ファンド中1位、5年間が44ファンド中7位でした。これを見て、5年間の順位がいまひとつと思う人もいるかもしれません。そこで、同ファンドよりパフォーマンスの良いファンドを確認してみると、ほとんどが欧州のハイイールド債券に投資するファンドでした。

欧州ハイイールド債券がなぜパフォーマンスが良かったかというと、ユーロの金利がここ5年間において「低水準かつ低下傾向」にあったためです。低金利が為替ヘッジコストを安く抑え、かつ金利が低下傾向だったことがユーロ建て債券全般の価格上昇要因となりました。

そしてここからが大切なのですが、「この欧州優位の傾向は、この先5年程度続くのか?」ということです。結論としては、米国に続き欧州も金融緩和政策の正常化を検討している現状を踏まえると、その確率はかなり低いと考えられます。このため、欧州ハイイールド債券ファンドは「5年間のパフォーマンスが良いということだけで、手数料の高さに目をつぶってまでピックアップするほどではない」というのが私の判断です。

資産運用に分配金は必要ない

まず、分配金を利息かなにかと勘違いしている人のために、ここでハッキリと間違いを正しておきたいと思います。

「分配金とは一部売却とほぼ同じ」というのが端的で分かりやすい考え方です。なぜなら、分配金は利息と違い投資資産から取り崩して支払われるものだからです。言い換えると、運用会社が決めた金額を一定間隔で自動的に換金してくれるシステムが分配金です。

こう考えると、分配金は基本的に必要ないものだと分かってもらえると思います。分配金を生活費として使っている場合、分配金額を自分で決めることができないので、不足があった場合は結局ファンドを自分で売却することになります。一方、分配金を使わないで再投資する場合。これは一見して分配金がないのと変わらないように見えますが、実は分配金が支払われるたびに、その内の利益分に対して税金が差し引かれているため、その分パフォーマンスが悪化してしまいます。

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分配金再投資にメリットなし

これは実際に数字で示した方が、いかに勿体ないことをしているのか分かってもらえると思うので、具体例を見てみましょう。

先ほど参考として見た ”みずほUSハイイールドオープン Aコース(為替ヘッジあり)” の10年間のリターンは年率6.06%ですが、この数字は分配金にかかる税金が考慮されていません。そこで、税金を考慮して計算してみると、リターンは年率4.84%となり、その差は年率で1.22%、10年間の累積では19.6%にものぼります。

『負けない資産運用の王道』では途中で売却することがないよう十分な運用期間を確保すること、つまり分配金は使わないで再投資することが前提ですから、分配金があるファンドは税金の分だけパフォーマンスが悪化します。このため、特に分配金が多く支払われる傾向にある ”ハイイールド債券ファンド” や ”リートファンド” などのファンド選びの際は、分配金にも注意を払う必要があります。

1ファンドに厳選した理由

今回、”為替ヘッジ付きハイイールド債券ファンド” の分析をして思ったことは「ファンドの数はたくさんあるのにパッとしないファンドばかり」ということです。その理由は、何と言っても「手数料の高いファンドが多すぎる」ということに尽きます。

前述した欧州ハイイールド債券ファンドも、足元で為替ヘッジコストが安いことは事実なので、手数料さえ安いファンドがあればピックアップしていました。また、利回りや為替ヘッジコストを踏まえたうえで運用者が通貨を幅広く選択することが可能なグローバルハイイールド債券ファンドも、手数料が安ければピックアップの対象になっていたでしょう。

ハイイールド債券自体は魅力的な資産なので、今後も手数料の安い有望なファンドが出てくれば、積極的に紹介していきたいと思います。とりあえず、「ハイイールド債券の最大の市場である米国で、比較的手数料が安くて高いパフォーマンスが期待できる」という理由で ”みずほUSハイイールドオープン(年1回決算型)為替ヘッジあり” を紹介しました。

為替ヘッジ付きハイイールド債券ファンドは分散投資資産として十分な働きをしてくれると思うので、ぜひ活用してみてください。

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