株式投資で儲ける②:株価予測の鍵 ”PER” とは

「PERとは利益増加の期待度」

株式投資においてPERがどれ程重要かというと、例えるなら「PERを知らないで株式投資をするのは、オッズを知らないで競馬をするようなもの」だと思います。知らなくてもできるけど、本気で儲けたいなら絶対に押さえておくべきことです。

まず教科書的な説明をすると、PERとは日本語で “株価収益率" と訳し、ある会社の株価が ”一株当たり利益” に対して何倍かを示す指標です。

しかし、これだけを知っていたとしても何の役にも立ちません。本当に重要なポイントは、株価と利益を比較することがなぜ重要なのかを理解することです。

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PERとコンセンサスの関係

”一株当たり利益” の利益とはいったい何を指すのかというと、基本は前期本決算の ”当期純利益” を指します。会社が公表している当期本決算の ”予想当期純利益” も一般的ですが、まずは大原則を理解しましょう。

すでに 株式投資で儲ける①:株価の決まり方を知る で解説したように、株価はコンセンサス君の利益予測を基に決まります。そして、直近の利益実績はコンセンサス君が利益予測を行うための最重要情報の一つです。コンセンサス君は前期本決算の ”当期純利益” を基準に、さらに過去の業績や会社が公表する業績予想、ニュースリリースといった情報を使って、将来どのように ”当期純利益” が増加していくかを予測します。

つまり、株価と ”当期純利益” を比較するということは、「コンセンサス君は ”当期純利益” が将来どの程度増加すると予測しているか」を分析することに他なりません。そして、株価とは一株当たりの価格のことなので、それと比較するためには ”当期純利益” も一株当たりに直す必要があります。要するに、PERとは「コンセンサス君が考える利益増加の期待度を示すもの」と言い換えることができます。

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当期の業績を当てるだけではダメ

冒頭でPERを競馬のオッズに例えましたが、実は両者は結構似ています。なぜなら、どちらも実際の確率を表すものではなく、あくまで期待度を示すものだからです。オッズは低いほど期待度(人気度)が高く、PERは高いほど期待度が高くなります。

ただし、両者が決定的に違うのは、オッズはそのレースだけの期待度を表すのに対して、PERは当期だけでなく、さらに将来の利益を含めた期待度を表すということです。競馬ではそのレースの順位を予測しますが、株式投資は「当期本決算の ”当期純利益” がいくらになるのか」に加え、「その ”当期純利益” を踏まえてPERの値がいくつになるのか」を予測しなければなりません。

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株価はPERとEPSで決まる

PERがどんなものか理解できたところで、2つ計算式を示します。

PER = 株価 ÷ EPS

一株当たり当期純利益のことを英語で略してEPSといいます。PERは株価がEPSの何倍かを表す指標ですから、上記で計算することが可能です。今のコンセンサス君の期待度を知りたいときはこの計算式を使います。また、EPSは前期本決算の決算短信などから確認できます。

株価 = EPS × PER

上記は、当期本決算の発表後など将来の株価がいくらになるかを予測するときに使います。この場合のEPSは現時点では発表されていませんから、自分の予測値となります。また、PERも発表後のものなので、当然予測値です。将来の株価を当てるには、2つの予測をしなければならないことが式からも確認できます。

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予測が外れると期待値も変わる

それでは、この式を使って具体的にどうやって株価予測をするのかをみていきましょう。

まず、最もシンプルなケースを考えます。当期純利益がコンセンサス君の予測どおりで、かつ将来の期待度も変わらないケースです。

これはPERが決算発表後も変わらないため、単純に当期純利益が伸びた分だけ株価が上昇します。式で表すと以下のようになり、例えば当期純利益がコンセンサス君の予測どおり10%伸びたなら、株価も10%上昇します。

株価↑ = EPS↑ × PER→

では当期純利益がコンセンサス君の予測以上の20%伸びた場合はどうでしょうか。

この場合、基本的には「実はこの会社の成長力はもっとあるのかも」や「伸びた利益を使って更なる利益を産み出せるかも」などのポジティブな期待が加わり、期待度が上方修正されます。この時、株価の上昇は当期純利益の伸び+20%に加え、PERの上方修正分+αが上乗せされます。

株価↑↑ = EPS↑ × PER↑

これが、コンセンサス君の予測を上回る決算が発表されたとき、株価が爆発的に上昇する要因です。もちろん、下回る場合は暴落する要因にもなります。

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儲けるには想像力と分析力が必要

最後に、今回の解説をまとめたいと思います。

  1. PERは株価を決定する重要な要素である。
  2. PERは将来の利益増加に対するコンセンサス君の期待度である。
  3. 株価は「EPS × PER」で計算でき、将来の株価を予測するためには、EPSとPERの両方を予測する必要がある。

次回以降、”3” を掘り下げて解説していきます。EPSは、主に過去から直近までの財務諸表と会社の業績予想を基に分析し、予測します。そしてPERは、時系列比較と他社比較、あるいはその両方を組み合わせて分析し、予測します。

株式投資で儲けるには、会社に対していかに素晴らしい未来を描けるかという想像力と、その未来を実現できる可能性がどの程度あるかを計る分析力が必要です。想像力については、投資経験がなくても「なんとなく儲かりそう」という当たりを付けることはできます。一方で、分析力については方法を理解し、経験を積んでスキルアップしていくしかありません。

そのかわり、方法を学び、実際に会社の分析を行って、少額でもいいので投資する(←ここ重要です)ことで、着実にスキルアップしてくはずです。ぜひ『負けない資産運用の王道』を活用し、実践してみてください。

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