FPが解説!投資を始める前に知って欲しいお金を働かせる意味とは
- 投資は悪いこと?ずるいもの?
- 投資なんて損するに決まっている!
- お金を働かせるってどういう意味?不労所得と何が違うの?
日本では「勤労こそが正義であり、働かずに利益を得る投資は悪である」といった固定観念が未だに払しょくできていないように感じます。
“投資” という言葉がかなり世の中に浸透したとはいえ、まだまだ「投資をしてみたいけど迷っている」という人が大勢いるのにはこうした背景もあるのでしょう。また、投資をしている人でも、「同僚や友人には投資をしていることを言っていない」という人も多いようで、「投資を含めたお金の話をオープンにできる環境」へのニーズが急速に高まっています。
今回はそんな「投資の第一歩をなかなか踏み出せない人」や「投資をしているけどそれをオープンにできない不満を持っている人」のために、「投資は悪」という固定観念をぶち壊したいと思います。
この記事の目次です。
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投資が悪ならみんな悪
仮に、正義を「労働の対価としてお金を得ること」だとするなら、その労働力を受け入れて対価を支払う側の “会社” は悪になるのでしょうか?
確かに “雇い主” というと、何となーく「搾取している」という悪いイメージが沸いてきたりもしますが、余程のブラック企業でない限り、自分が勤めている会社を一方的に “悪” と考えている人はあまりいないでしょう。もし、会社が悪だとするならば、それこそ「正義=従業員を雇っていない個人事業主」となってしまいます。
会社は設備や原材料、そして労働力を集約して個人では決して真似できない規模のモノやサービスを生み出す素晴らしい機能を持っています。そう考えると、会社という仕組みそのものは決して悪なんかではなく、むしろ私たちの生活を豊かにするために必要不可欠と言えるでしょう。
この会社という仕組み、成立するために必要になるのが資本金です。これがないと、そもそも労働力への対価を払うこともできませんし、設備を整えることや原材料を仕入れることもできません。
そして、この資本金を提供する行為こそが投資なのです。
資本金があれば、「開業資金を社員から募る」なんて事態を避けられます。そして、会社が損失を出しても資本金がある限りは、そこから社員の給料を支払うこともできます。
そう、投資とは投資先の会社の社員が安心して働く環境を作るために必要不可欠な要素なのです。
投資家だって、みんながみんな投資利益だけでウハウハ暮らしているわけではありません。むしろそんなのは一握りの人間です。多くの人が働きながら預金の一部を投資に回しています。
働いて得たお金を「安心して働ける会社作り」のために還元(出資)する。このように、社会の中で資金を循環させるお金の使い方は至極健全だと思うのは私だけでしょうか?
もっと言うと、預金だって銀行への貸出しなので広義で言えば投資の範疇です。事実、私達の預金を元手に銀行は会社への融資を行っているわけですから、やっていることの本質は投資となんら変わりありません。
それでもあなたは投資を悪だと思いますか?
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投資とギャンブルは別物
ここで次に浮かぶのは、「投資ってギャンブルじゃないの?本当に儲かるの?」といった考えでしょうか。
もちろん、投資資産の価格は変動しますから、投資には一定のギャンブル性が含まれます。しかし、例えば株式投資であれば、投資の目的はあくまで会社が生み出す利益を受け取ることです。
食料を安いと思ったときに買い溜めすることをギャンブルと言わないのと同じように、株式を安いと思った時に買うこともギャンブルとは言いません。どちらも翌日もっと安くなってるかもしれませんが、食料は自分や家族で食べ切れば十分元は取っていると言えますし、株式だって長期保有して会社が生み出す利益を積み重ねていけば、いつかは元が取れます。
逆に株価の値動き、つまりギャンブル性に着目して儲けようとすることを “投機” と言いますが、これと “投資” は明確に違います。(詳しくは 【投資と投機の5つの違い】儲かる仕組みを理解して本質を知る で丁寧に解説しています。)
つまり、投資は会社が潰れずに利益を出し続けている限り、いつかは儲かるようにできているのです。
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投資は働くより、貸すより儲かる
では一体、投資とはどのくらい儲かるものなのか?
それはズバリ、「投資は少なくとも働くより、そしてお金を貸すよりも儲かるような仕組みになっている」というのが答えです。
なぜそうなるのかは、「働く・貸す・投資」がそれぞれ会社からどのように儲けを受け取っているかを考えてみれば一目瞭然です。
まずは働く、つまり会社員が受け取る給料です。これは、会社にとっては一般的に「売上原価や販売費・一般管理費として売上から差し引かれる費用」という扱いになります。
当たり前ですが、会社が儲かっていようが儲かってなかろうが関係なく給料は受け取れます。「労働への対価の受取り」というのは、法律や制度によって最も手厚く保護されているものの一つです。
次は貸す、つまり借入に対する利息の支払いです。これは、会社にとっては一般的に「営業外費用として営業利益から差し引かれる費用」という扱いになります。
これも当たり前ですが、会社が儲かっていようが儲かってなかろうが関係なく貸したお金の利息は受け取れます。
仮に会社が潰れてしまったとして、会社員の給料と債権者の利息や元本、どちらの受取が優先されるかは状況によって異なりますが、“未払賃金立替払制度” など国からの保護もある分、総じて会社員の給料の方が優位に受け取れると言えるでしょう。
最後に投資する場合、これは会社の全ての売上・利益から費用・損失を差し引いてもなお利益が出ていた場合、その全てが投資家に還元されます。
要するに、投資に関しては会社が儲かってないと利益は得られないのです。
さて、ここまでの説明で投資が明らかに “割に合わない” と思ったのではないでしょうか?
そう、“利益の保証” という観点から見れば明らかに投資は他の二つよりも劣っています。にもかかわらず、投資という行為が世の中で数え切れないほど成立してるのです。
そしてこの事実こそ、「投資が貸す・働くよりも儲かるような仕組みになっている」証拠に他なりません。会社の最終的な利益については投資家の総取りであり、“利益の権利” という観点から見れば、投資は他の二つよりも絶対的な優位に立っていると言えるでしょう。
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「投資は悪」こそが悪
前述したとおり、結局は預金をしたところでそのお金は融資という形で会社にも流れていきます。
だったら、銀行なんかに任せてないで、自分の気に入った会社に直接投資し、応援したっていいのではないでしょうか?
声援だけでなく、資金という実体を伴った応援は、利益となってちゃんと自分に返ってきます。
投資先を選別し、資金を提供し、そしてその対価を受けとる。これこそが「お金を働かせる」ということであり、不労所得などという陳腐なものでは決してありません。
最近、投資のための口座開設手続きが大きく簡素化されています。それだけでなく、株式や投資信託に100円から投資できたり、楽天ポイントやTポイント、dポイントなどポイントを使って投資ができるなど、投資のハードルはますます下がり、それこそ預金感覚で投資を始めることが可能になりました。
こうしたチャンスを活かさず「“投資は悪” というくだらない固定観念に囚われ、将来に向けた備えを怠ることこそ悪である」とFPである私、ムササビ親分が断言します。
銀行:「融資先も見つからないので、預金は要りません!金利はほぼゼロにします。何なら口座管理手数料も取ります。」
投資を鼻から排除して、こんなことを言ってるところに無理やりお金を預けるライフプランなど不真面としか言いようがありません!
すでに、私たちはそういう時代に突入しているのです。
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