【永久保存版】投資信託のパフォーマンス分析をゼロから解説

パフォーマンス分析
  • 分配金再投資基準価額ってなに?
  • 気になる投資信託の最大損失を知りたい
  • 自分で投資信託を選ぶ判断ができるようになりたい

“パフォーマンス分析”ってちょっとカッコイイ響きですよね!そう思う反面、難しそうと感じる人も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな投資信託のパフォーマンス分析を、誰でもできるようにゼロから解説したいと思います。と言うのも、例えば「このファンドは最大でどれくらい損をするものなのか」は多くの人が非常に気にする情報にもかかわらず、運用会社から提示されるデータからは読み取れないケースがほとんどだからです。

そして、これを知るためには自分でファンドの基準価額データをダウンロードし、分配金再投資基準価額を算出するなど、目的に合わせてデータを加工する必要があります。

「そもそも、“分配金再投資基準価額”すらなんのことか分からないんだけど…」と思った人は安心してください。なんと、そんな人でも自分の目でパフォーマンスを確かめ、投資信託を選ぶ判断ができるようにツールまで用意しました!この記事を通じて、ガチでゼロからパフォーマンス分析ができるようになってもらいたいと思います。

この記事の目次です。

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データはどこで取れる?

まず、どんな分析をするにせよ基準価額のデータがないと話になりません。また、パフォーマンス分析は前述した分配金再投資基準価額をベースに行うため、分配金のデータも必要になります。

ファンドのデータと聞いて真っ先に思い浮かぶのが運用会社のHPです。実際、基準価額とは別に分配金再投資基準価額のデータもダウンロードできる親切な運用会社もあります。しかし、ファンドごとにいちいち取得先が変わるのは非常に手間がかかりますし、基準価額のデータすらダウンロードできない運用会社もあるため、実用的な取得先とは言い難いでしょう。

そこでおすすめしたいのが、モーニングスターのHPです。同HPならほとんどのファンドデータが扱われており、基準価額の日次データと分配金の全データをCSV形式でダウンロード可能なため、このサイトのみで完結することができます。加えて、データが20年以上さかのぼって収録されており、ほどんどのファンドデータが設定来から入手できることも見逃せない点といえるでしょう。

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データを取得しよう

それでは、実際にデータの取得方法を解説していきたいと思います。

まず、モーニングスターHPの“詳細条件でファンドを検索”のページからお目当てのファンドを検索します。今回はグローバル株式インデックスファンドの中で最も運用期間の長い“MSCIインデックス・セレクト・ファンド コクサイ・ポートフォリオ”をサンプルに解説したいと思います。

次に、個別ファンドのページから“チャート”タブをクリックするとチャートページに飛びます。そのページに掲載されたチャートの下に各データのダウンロードリンクがあるので、そこをクリックします。リンクは3種類ありますが、全て同じページに飛ぶためどれでも構いません。

データ取得②

そして、ダウンロードページでは、まず基準価額の期間を選択します。設定来のデータを取得したいので、開始日は必ず収録開始時点よりも前の日付を選択してください。選択したら、“日次ベース”にチェックが入っていることを確認して“ダウンロード”ボタンをクリックします。分配金については単に“ダウンロード”ボタンをクリックするだけで問題ありません。

データ取得③

これで欲しかったデータを取得することができました。ほとんどのファンドにおいて、取得データは設定来のもののはずですが、念のためそれを確かめてみましょう。タブの一番右“目論見書”をクリックすると開示資料を掲載しているページに飛びます。そこで目論見書もしくは月報を開き、最後の方にある“お申込みメモ”ページの“信託期間”の欄に設定日が記載されています。

設定日①

設定日②

この日付とデータの収録開始時点が一致していれば、ダウンロードデータが設定来のものということになります。これらデータを基にパフォーマンス分析を行っていきましょう。

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簡単!データ加工

さて、いよいよパフォーマンス分析に入っていくわけですが、実際の作業としては冒頭で予告したとおり、データを貼り付けてマクロボタンをクリックするだけです。むしろ、たったそれだけで基礎的なパフォーマンス分析ができるようにエクセル(マクロ有り)を作成しておきました。

大盤振る舞い!ぜひ使い倒してください👍

投資信託パフォーマンス分析ツール
※ただし、このツールは基準価額が1万口当たりで表示されているファンド(ほとんどのファンドが該当)の設定来データを取得した場合のみ正しく機能します。

上記エクセルを“マクロを有効”にして開いたら、基準価額データと分配金データを貼り付けます。A、B列のデータを列ごとコピーし、それぞれ“基準価額貼付シート”と“分配金貼付シート”に貼り付けてください。

基準価額データ

分配金データ

データを貼り付けたら“パフォーマンスシート”の“データ作成”ボタンをクリックします。

パフォーマンス分析画面①

これでデータ作成は完了ですが、分配金再投資基準価額の計算方法は覚えておくと何かと役に立つので、それだけはここで解説したいと思います。と言っても、計算式にすれば割とシンプルです。

分配金再投資基準価額 = 前日分配金再投資基準価額 ×(基準価額 + 分配金)÷ 前日基準価額

注目ポイントは2つ。1つ目は、分配金再投資基準価額を計算するためには前日の分配金再投資基準価額が必要ということです。つまり、分配金再投資基準価額を取得するためには分析期間の開始日までさかのぼって順番に計算していく必要があります。

そして、2つ目は「基準価額 + 分配金」の部分です。基準価額は分配金が支払われる日に、支払われた分だけ下落するため、本来の騰落率を計算するためには、分配金を足し戻してあげる必要があります。つまり、最初の分配金が支払われるまでは分配金再投資基準価額と基準価額は一致しますが、分配金が支払われるたびに両者の値はどんどん乖離していくということです。

上記の計算式を無理して覚える必要はありませんが、勘違いをして痛い目にあわないためにも、「分配金は基準価額を下落させる要素であり、パフォーマンス分析においてはその分を補正して計算しなければならない」ということは必ず覚えておきましょう。

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パフォーマンスの評価方法

パフォーマンス分析で最も重要なのが、「作成したパフォーマンスデータから何を読み取り、ファンドをどのように評価するか」です。

今回は基礎的なパフォーマンス分析の材料として以下のデータを用意しました。

  • 期間騰落率
  • 年率リターン
  • 年率リスク
  • 最大下落率
  • 最大下落率が記録された期間
  • 分配金再投資基準価額の推移
  • 分配金再投資基準価額の推移(対数目盛)

特に、最大下落率とそれが記録された期間は自分でデータを加工しないと得られない情報です。「このファンドは最大でどれくらい損をするものなのか」について非常に参考になる最大下落率が分かるだけでもこのツールを利用する価値はあるでしょう。

パフォーマンス分析画面②

ちなみに、サンプルファンドはMSCIコクサイに連動するインデックスファンドですが、やはり、「米サブプライムローン問題~リーマンショック」の期間で最大の下落率を記録しており、その価格は約1/3にまでなってしまったことが一目で分かります。

また、グラフについては変動幅が確認できる通常のグラフに加えて、変動率が確認できる対数目盛のグラフも用意しました。

パフォーマンス推移①

パフォーマンス推移➁

例えば、“暴落”と言えば記憶に新しいコロナショックを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。確かに、通常のグラフ(上段)で見ると、コロナショックは期間こそ短いものの、リーマンショックに匹敵する暴落のように感じます。しかし、対数目盛のグラフ(下段)で見ると印象ががらりと変わり、コロナショックは“調整”か精々“急落”止まりと言えるでしょう。先進各国に分散投資していると言えど、しょせんは株式、リスクが高く中長期投資においてはコロナショックを超える暴落も覚悟すべきという側面が浮かび上がってきます。

この違いの原因は、前述した通常目盛で見る“下落幅”か対数目盛で見る“下落率”かの違いに他なりませんが、少なくとも投資家が「当時どれ程のショックだったのか」を考える上で重要視すべきは後者の“下落率”です。あまり見慣れないグラフですが、パッと見の印象で騙されないためにも、ぜひ両方のグラフを見る癖をつけてください

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期間指定とパフォーマンス比較

このように、基礎的なデータだけでも様々なことを読み取り、評価することが可能です。さらに、このツールでは、出来上がった設定来の分配金再投資基準価額のデータ(エクセルD列)をさらに加工し、好きな期間を切り取って分析することが可能です。

手順はたったの2つ、“期間指定パフォーマンスシート”で①“期間指定(手入力)”の欄に調べたい期間を入力し、②“期間指定データ作成”ボタンをクリックするだけです。

期間指定パフォーマンス分析画面

たったこれだけで、指定した期間におけるデータ分析と評価が行えるようになります。もっと言うと、このシートの分配金再投資基準価額は指数化してある(エクセルC列)ため、このデータを使えば他ファンドとのパフォーマンス比較もできるようになります。

その方法もいたって簡単、日付(エクセルA列)と分配金再投資基準価額(指数化)(エクセルC列)を列ごとコピーして、新規エクセルシートに貼り付けるだけです。ただし、分配金再投資基準価額(指数化)のデータは一部数式を含んでいるため、値貼付をするようにしましょう。

貼り付けたら、どのファンドのデータか分かるように「分配金再投資基準価額(指数化)」となってるセルをファンド名に変更してあげます。

パフォーマンス比較データ作成①

パフォーマンス比較データ作成②

この作業が終わったら、今までと同じ手順で他ファンドのデータを取得し、同じ期間の分配金再投資基準価額(指数化)を作成して、隣に値貼付します。

複数のファンドデータを貼り付けたとしても、基本的にどのファンドだろうと営業日数は同じなので、データの数は一致しているはずです。ただ、念のため各ファンドのデータ最終行が一致しているかは確認しておくことをおすすめします。

最後に、出来上がった新たなデータからエクセルの機能を使ってグラフを作成すれば完了です。これで、好きな期間でファンド間のパフォーマンス推移を比較することができるようになりました。ここまでくると、若干の手間暇はかかりますが、それと引き換えに、運用会社から与えられるデータでは決してたどり着くことのできない発見と、新たな投資判断ができるようになるでしょう。

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投資スキルアップ間違いなし!

いかがでしたでしょうか。コーピー&ペーストさえできれば、お目当てのファンドのパフォーマンス分析どころか複数ファンドのパフォーマンス比較までできるようになったことが実感できたのではないでしょうか。

今回解説したのはあくまで基礎的な分析ですが、一方で、「この急落した期間には何があったんだろう」、「この期間の値動きの違いは何が原因だろう」といったより深い分析へと続く非常に大事な入り口でもあります。また、公開したツールは計算式も分かるようにしてあるため、これらの計算式を利用することで、オリジナルの分析ツールを作ることも可能です。

ただ単にニュースを流し読むより、気になるファンドの値動きと関連付けて確認する方が何倍も効果があると考えます。ぜひ、この記事から基礎的パフォーマンス分析の方法を習得して、投資スキルを爆上げさせてください!

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