週間マーケットコメントとポートフォリオ実績(2021年12月)

2022年1月3日

マーケットコメント(2021年12月)

◆各週のマーケットコメントへ

ポート実績(2021年12月30日)

◇積立金額合計
2,250,000円

◇ポートフォリオ評価額
2,988,654円

◇損益
+738,654円(+32.8%)

◇各ファンドの騰落率推移
・インド株式
第1週:-3.7%
第2週:+0.4%
第3週:-1.7%
第4週:+1.3%
第5週:+2.1%

・為替ヘッジHY債券
第1週:-0.5%
第2週:+0.9%
第3週:-0.1%
第4週:+0.3%
第5週:+0.3%

・Jリート
第1週:-1.9%
第2週:+2.3%
第3週:+0.0%
第4週:-1.2%
第5週:+1.1%

ポートフォリオ評価額と基準価額(2021.12.30)

※各ファンドや運用前提については 「私のポートフォリオ」シミュレーション開始 を参照してください。

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マーケットコメント(第1週)

今週の世界の株式市場は総じて下落しました。先進国は日本を中心に下落しました。新興国は新興国指数(MSCI)は小幅下落したものの、各国の代表指数は軒並み上昇しました。

マーケット騰落率(2021.12.3)

◆主なプラス材料

特になし

◆主なマイナス材料

  • 世界的な新型コロナウイルス「オミクロン型」の感染確認
  • FRBの量的緩和縮小(テーパリング)の前倒し懸念

<今週のワンポイント「マーケットコメントの罠」>

今週は12月3日発表の米雇用統計が絶妙な結果になったことで、日経新聞のマーケットコメントが面白いことになったので紹介したいと思います。

まず、米国株式市場が明けてすぐ、ダウが前日比で上昇しているときの日本時間0時台のコメントです(抜粋)。

「取引開始前に発表された11月の米雇用統計では雇用者数の増加幅が市場予想を下回った。平均時給の伸び率が鈍化するなど、米連邦準備理事会(FRB)の早期の金融引き締めへの警戒がやや薄れたとの見方から買いが入っている。」

要するに、米雇用統計がポジティブ材料となってダウが上昇したという内容です。

次に、米国株式市場が引けて、ダウが前日比で下落した後の日本時間5時台のコメントです(抜粋)。

「(米雇用統計は)強弱混じる内容だったが、インフレへの懸念を強める米連邦準備理事会(FRB)は金融政策の正常化を加速させるとの見方が維持されたことも相場の重荷となった。」

打って変わって、米雇用統計がネガティブ材料となってダウが下落したという内容です。

さて、上記を見てどう思いましたか?「日経新聞も結構いい加減なんだな」と思っていませんか?

実は、そう思った人はマーケットコメントの罠にかかってしまっているんです!

「日経新聞も結構いい加減なんだな」と思ったということは「ある出来事や結果に対しては“正しい解釈”というものが存在し、それに沿ってマーケットが動いている」という根本的な勘違いをしてしまっている証拠に他なりません。しかし、真実は完全に逆で、「ある出来事や結果に対してマーケットが動いた結果、投資家の総意(コンセンサス)が生まれる」が正解です。

考えてもみてください。無数にいる投資家が、ある結果に対して全員同じ解釈をすることなんてあり得るのでしょうか?

答えはノー。出来事や結果に対する解釈は投資家の数だけ存在し、その結果が値動きとなって現れます。つまり、無数にある投資家の解釈をひとまとめにした“コンセンサス”というのは、結果から逆算することで初めて汲み取ることができるのです。このため、米雇用統計の結果が確定した後で、マーケットが上昇していればポジティブな材料として、下落していればネガティブな材料として捉えられることは十分にあり得ると言えるでしょう。

もっと言うなら、「コンセンサスをどう汲み取るか」自体も一人一人異なります。今回も「米雇用統計は引け後もポジティブ材料であり、何かほかにもっと大きなネガティブ材料があった」という見方も可能なわけです。出来事や結果のどこに注目し、コンセンサスをどのように汲み取り、それをどう伝えるかは書き手の腕の見せ所となります。

こうした背景を理解しておけば、誤解なくマーケットコメントを読むことができるようになるでしょう。

<ムササビ親分のみ・か・た>

今週はオミクロン型への強い警戒感が続く中で、FRBがテーパリングに言及せざるを得ないような経済環境にあることがマーケットの重しとなりました。3日発表の11月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に下回ったにもかかわらず、失業率が低下したことで「FRBが金融緩和に舵を転換するほどの悪い結果ではない」とマーケットが受け止めたことが絶妙なバランスで悪材料となりました。

向こう2ヵ月程度の世界株式相場は「上値が重い中で、急落リスクも高い」という見通しを維持します。

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マーケットコメント(第2週)

今週の世界の株式市場は総じて上昇しました。先進国、新興国共に軒並み上昇、特に米国や中国の上昇が目立ちました。

マーケット騰落率(2021.12.10)

◆主なプラス材料

  • 新型コロナのオミクロン型に対する懸念後退
  • 市場の想定内となった11月の米消費者物価指数(CPI)
  • 中国人民銀行の預金準備率の引き下げ発表

◆主なマイナス材料

  • 英政府の行動規制強化の発表
  • 中国恒大集団の初のデフォルト認定

<今週のワンポイント「預金準備率」>

預金準備率とは金融機関(銀行等)の預金残高のうち、中央銀行への預け入れを義務付けられている比率のことです。一般的に金融機関は資金の一部を中央銀行に預け入れ、残りを貸出し等に回すため、この比率が低いほど貸出しに回す資金が増加します。このため、預金準備率の引き下げは銀行貸し出しを介して世の中の資金量を増加させる金融緩和策となり、逆に、預金準備率の引き上げは金融引締め策となります。

ただし、日本をはじめ、短期金融市場(資金調達を主目的に期間1年以内の短期の資金取引が行われる市場)が発達した主要国においては、こうした金融緩和・引締めの手段として預金準備率の操作は行われておらず、日本の預金準備率も1991年10月を最後に変更されていません。預金準備率の操作は短期金融市場が未発達な新興国等で有効な金融政策と言えます。

今週は、中国人民銀行が預金準備率を0.5ポイント引き下げる(加重平均で8.9%から8.4%)ことを発表しました。たかが0.5ポイントと思うかもしれませんが、これは1兆2000億元(約21兆円)の流動性を供給することになる試算です。実際、マーケットでは株式市場へ資金が流入する期待感からプラス材料と捉えられました。

このように、預金準備率の操作はしかるべき国が行うならば、有効な金融政策になり得ることを覚えておきましょう。

<ムササビ親分のみ・か・た>

今週はオミクロン株への強い警戒感が後退したことで世界的に株式市場が上昇しました。特に、米国は「CPIの結果を受けたFRBの早期利上げシナリオ」への警戒感も後退したため大幅な上昇となりました。

一方、中国恒大集団がドル建て債でデフォルト認定されたことは若干のマイナス材料となりました。一時は世界的な悪材料として警戒されていましたが、本件ではマーケットに大した影響を与えなかったことから、改めて「最悪のケースが想定できない時点が最もマーケットに悪影響を与える」ことが確認できます。

新型コロナのオミクロン株に対してもすでに警戒感のピークは過ぎたような感はありますが、やはり「各国が金融引き締め方向に進んでいる」という大前提が今までと異なります。米中関係などの目に見えた悪材料もまだまだくすぶっていることから、向こう2ヵ月程度の世界株式相場は「上値が重い中で、急落リスクも高い」という見通しを維持します。

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マーケットコメント(第3週)

今週の世界の株式市場は総じて下落しました。先進国は米国を中心に下落しました。新興国はインドや中国を中心に下落しました。

マーケット騰落率(2021.12.17)

◆主なプラス材料

特になし

◆主なマイナス材料

  • 主要国中央銀行の金融緩和策の縮小や金融引締め策の実施
  • 世界的な行動規制強化
  • 市場予想を上回る11月の米卸売物価指数(PPI)の上昇
  • 市場予想を下回る11月の米小売売上高


<今週のワンポイント「米卸売物価指数」>

卸売物価指数とは生産者が出荷した製品や原材料などの販売価格の変動を指数化したもので、生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)とも呼ばれています。同指数は世界各国で発表され、発表対象国の物価動向が分かることにより、景況感やインフレ率、消費動向を予測する材料とされています。

米国においては、労働省が米国内の製造業者の販売価格を約1万品目について毎月調査・発表しており、全調査対象の物価動向を示した「総合指数」のほか、製造段階別(原材料、中間財、最終財)、品目別、産業別などさまざまな分類があります。特に、総合指数は情報ベンダー各社が事前にエコノミスト予想値を集計・発表しており、その値との乖離が大きいとマーケットにも大きな影響を与える傾向があります。

同指数は世界最大の市場である米国の物価動向を測る重要な経済指標として、米消費者物価指数(CPI)とともに注目されている一方で、モノの値段は一般的に原材料価格が変化した後、相応の期間が経過してから製品価格に転嫁されることから、より早く景気を反映させる先行指標として捉えられています。

<ムササビ親分のみ・か・た>

今週は、FOMCの結果発表日こそ「波乱なし」と受け止められ、世界株式市場は大きく上昇しました。しかし、英イングランド銀行(中央銀行)の政策金利引上げ、日銀やECBのコロナ禍に対応した金融緩和策の縮小発表など、主要国中央銀行が揃って金融引締め方向に舵を切ったことが確認されると大きく反落しました。

この一連の動きは、「想定通りに事が運んだからとりあえず警戒を緩めたけど、やっぱり今は株式市場にとってビハインドの環境だよね」というマーケット心理をよく表していると感じます。足元の嵩上げされた金融相場においては、波乱なしの金融正常化はマーケットの重しとなる可能性が高いことが改めて確認できました。こうした状況を踏まえ、向こう2ヵ月程度の世界株式相場は「上値が重い中で、急落リスクも高い」という見通しを維持します。

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マーケットコメント(第4週)

今週の世界の株式市場は総じて上昇しました。先進国は米国とユーロ圏を中心に上昇しました。新興国はブラジルが大きく下落した一方で台湾等が上昇し、総じて横ばいとなりました。

マーケット騰落率(2021.12.24)

◆主なプラス材料

  • ワクチンの追加接種がオミクロン株に一定の効果があるとの見方が強まったこと
  • 新型コロナウイルスの飲み薬の緊急使用を米食品医薬品局(FDA)が承認したこと
  • オミクロン株の重症化リスクが低いとの調査結果が相次だこと
  • 市場予想を上回る12月の米消費者信頼感指数

◆主なマイナス材料

  • 世界的なオミクロン株の感染拡大と行動規制の強化
  • バイデン政権の大型支援策の実現について不透明感が高まったこと

<今週のワンポイント「年末相場」>

クリスマス以降、年末にかけては世界的に多くの投資家が休暇に入っているため、総じて株式市場の取引量が少ない傾向にあります。取引量が少ないと、一見してマーケットは動きにくいと思われがちですが、実は必ずしもそうなるとは限りません。

なぜなら、取引量が少ないということは、板(いた:売り買いの指値状況を並べたもの)にある注文量も少ないため、少額の成行(あるいはそれと同等の指値)注文でも価格が大きく動いてしまうためです。このため、ニュースにマーケットが反応しやすい、価格が乱高下しやすい環境でもあるのです。

ただ、「クリスマス以降休暇が多い」というのは投資家だけでなく、世間一般にも当てはまるため、そもそもマーケットに影響を与えるニュースが出にくい時期でもあります。

実際に、S&P500の直近10年間(2011~2020年)の“クリスマスイブ~年末”と“それ以外”の期間でリスク値を比較してみると“クリスマスイブ~年末”の方が低い、つまり値動きは小さいという結果になりました。

【リスク値】
クリスマスイブ~年末:16.2%
それ以外:17.4%

ただ、2018年において同指数のクリスマスイブ~年末の騰落率は+6.6%となり、非常に大きな値動きも記録しています。

【騰落率(クリスマスイブ~年末)】

2011年 -0.6%
2012年 0.0%
2013年 0.8%
2014年 -1.1%
2015年 -0.8%
2016年 -1.3%
2017年 -0.3%
2018年 6.6%
2019年 0.2%
2020年 1.4%

多くの投資家がそうしているように、中長期のリターンを狙うなら年末のマーケットは静観するのがセオリーと考えられますが、例えば、新型コロナウイルス関連のニュースはむしろ年末の人の動きで出やすいと推測できるため、その特徴を理解しておいて損はないでしょう。

<ムササビ親分のみ・か・た>

今週は、前週からオミクロン株への警戒感が強まる→弱まるで完全に行って来いの相場展開でした。ただ、米消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことが、インフレ加速や新型コロナによる消費への悪影響が思ったより小さいと想定する手掛かりになったことは、新たなポジティブ材料と言えるでしょう。

「各国は金融引締め方向の政策を打たざるを得ない」という状況は世界株式市場の大きな重しとなるため、引き続きメインシナリオとしては「上値が重い中で、何らかのネガティブニュースをトリガーに一旦は急落する」という見方を維持します。ただし、消費を中心に実体経済が力強く回復すれば、特に大きな急落なしで、しばらくのレンジ相場を経過した後、再び上昇局面入りするといった楽観シナリオも見えてくると考えます。

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マーケットコメント(第5週)

今週の世界の株式市場は総じて上昇しました。先進国はユーロ圏を中心に上昇しました。新興国はインドを中心に上昇しました。

マーケット騰落率(2021.12.31)

◆主なプラス材料

  • 米国の年末商戦が良好な結果となったこと
  • オミクロン株の重症化リスクが低いとの見方が強まったこと
  • 市場予想を下回る米新規失業保険申請件数

◆主なマイナス材料

  • 米国株式市場を中心に高まる高値警戒感


<今週のワンポイント「米年末商戦」>

年末商戦と言えば、小売業界では全世界共通して重要なイベントですが、特に、経済のけん引役が個人消費である米国においては、株式市場にとっても重要なイベントです。米国では、11月の第4木曜日にある感謝祭(Thanksgiving Day)の翌日(ブラックフライデー)より年末商戦が本格化します。

毎年、事前に全米小売業協会(NRF)から年末商戦期間を含む11~12月の小売売上高の見通しが公表され、市場参加者はこの情報などをもとにその年の年末商戦とその後の消費動向を見通します。また、翌年1月第2週頃には米商務省より12月の小売売上高が発表されるため、見通しと実体の乖離によってはマーケットが大きく動く場合があります。

世界のGDPの約25%を占める米国の年末商戦は世界株式市場においても重要なイベントであり、その見通しや結果は投資家として注目しておきたい材料と言えるでしょう。

<ムササビ親分のみ・か・た>

今週は、米国を中心に年末商戦が好調だったことが材料視されて買われたものの、週末にかけて高値警戒感から上値の重い展開となりました。2021年の世界株式市場(MSCI ACWI Index(配当込み、現地通貨ベース))の騰落率は+21.4%となりましたが、これは過去10年平均の年率+13.6%を大きく上回ります。リーマンショック後、歴史的なペースで上昇してきた過去10年平均ですら優に上回っているわけですから、マーケットの警戒感が高まるのも当然のことと言えるでしょう。

さて、気になる2022年のマーケットですが、やはりこれまでの世界的な大規模金融緩和策のツケを支払わなければならないことから、上値の重い展開を想定しています。値動きとして、急落からの回復か、ボックス圏内の推移かは米国を中心とした各国の金融政策次第ですが、急落回避は非常に難しい舵取りが要求されると見ています。

2021年はシンプルに金融政策に後押しされた相場であり、「とにかく参加し続けることが大事」ということが改めて確認できました。逆に言うと、参加さえすれば勝てる相場だったわけですが、そういう環境がいつまでも続くことは考えづらいでしょう。2022年は消費等のマクロ経済指標や企業業績といったファンダメンタルズを意識した投資判断がリターンを高めるカギになると考えます。

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